妊娠中のサイトメガロウイルス感染とは?リスクと対策を徹底解説

6年前から、サイトメガロウイルスの抗体検査をする機会が3回ありましたが、

過去2回はIgG抗体(+)IgM抗体(−)で、問題なし。
今回、3人目妊娠初期の検査で、サイロメガロウイルスIgM抗体(+)となってしまいました。

サイトメガロウイルスの基礎知識から対策までを解説していきます。

サイトメガロウイルスとは何か?

サイトメガロウイルス(CMV)は、ヒトヘルペスウイルスの一種で、妊娠中の女性にとって特に注意が必要なウイルス感染症の一つです。

サイトメガロウイルスの基本情報

サイトメガロウイルス(CMV)は、ヒトヘルペスウイルス科に属し、世界中で広く分布しているウイルスです。一般的には感染しても自覚症状が現れないことが多く、健康な人であれば感染しても問題になることはほとんどありません。しかし、妊婦や免疫力が低下している人々にとっては重要な問題となります。CMVは、唾液、尿、母乳、精液、血液などの体液を通じて感染し、特に妊娠中の感染は胎児に深刻な影響を及ぼす可能性があります。CMVに感染すると体内に潜伏し、生涯にわたって再活性化する可能性もあります。

妊娠中に初めてサイトメガロウイルスに感染した場合に胎児への影響が深刻と言われてきましたが、近年の報告では、神経画像所見や難聴の後遺症は、妊娠中に初めて感染した妊婦と、過去に感染歴があり抗体を持っている妊婦では同程度という報告もあります。

1人目妊娠の前から抗体を持っていた私は、初感染ではないので大丈夫!

…ではなく、再感染でも初感染でも、胎児に感染してしまった場合のリスクは同程度ということ….。

サイトメガロウイルス感染の仕組み

サイトメガロウイルスは主として体液を通じて感染します。妊婦が感染すると、胎盤を通じて胎児に感染が広がることがあります。CMVは唾液や尿などの日常的に触れる機会の多い体液に存在し、特に子供との接触を通じて感染するリスクが高くなります。感染が成立すると、ウイルスは体内で増殖しつつ、特定の細胞に潜伏します。免疫力が低下すると再活性化することがあり、その場合は再感染が発生し、症状が現れることもあります。妊娠中の感染が胎児に移行すると、先天性CMVのリスクが生じ、これが新生児に重大な健康問題を引き起こす可能性があります。

4歳の息子は、幼稚園で色んなウイルスをもらってきて。1歳の下の子ももれなくうつるし、おむつ交換もあるし、鼻水やヨダレはよく拭くし、食べ残しも食べてしまうこともあった…。
抗体があることは知っていたから、気を抜いていて、思い当たることばかり。

大人の場合のサイトメガロウイルス感染症状

大人がサイトメガロウイルスに感染した場合、ほとんどの人は無症状です。しかし、免疫力が低下している場合は、風邪のような症状が現れることがあります。具体的には、発熱、喉の痛み、体のだるさ、関節痛などがみられます。これらの症状は非特異的であり、他のウイルス感染と区別がつきにくいため、診断が困難です。また、長期的に免疫力が低下している場合は、サイトメガロウイルス性肺炎や脳炎などの重篤な合併症を引き起こすことがあります。したがって、特に免疫抑制剤を使用している患者や移植を受けた患者は定期的にCMVの検査を受けることが推奨されます。

新生児の場合のサイトメガロウイルス感染症状

新生児が先天性サイトメガロウイルス(CMV)感染を受けると、さまざまな重篤な症状が現れることがあります。主な症状としては、黄疸、出血傾向、肝臓や脾臓の肥大、発育遅滞、視覚や聴覚の障害などがあります。さらに、重度の脳内異常(マイクロセファリーや脳内石灰化)も見られることがあります。一部の新生児は出生時に症状がなくても、後に発達遅滞や聴覚障害が発症することがあります。先天性CMVの診断は、出生後の早い段階で行うことが重要であり、早期に適切な管理と治療を受けることで、新生児の予後を改善する可能性があります。

私は、生後3週間以内に行う新生児の尿検査をしてもらえるよう、担当医にお願いしてあります。

サイトメガロウイルスに感染する確率

サイトメガロウイルスに感染する確率は地域や生活環境によって異なりますが、成人の50%〜80%がCMV抗体を保有しているとされています。これは、感染経験があることを示しています。妊婦がCMVに初感染する確率は約1%〜4%とされています。特に、保育園や幼稚園など小さな子供が集まる環境では、子供との接触が多い妊婦が感染するリスクが高くなります。また、免疫力が低下している場合や特定の医療処置(例えば、臓器移植など)を受けている場合にも感染リスクが高まります。そのため、感染予防対策を怠らないことが重要です。

妊娠前に、抗体検査でサイトメガロウイルスIgG抗体(+)だと、すでに感染経験があるということ。妊娠中に万が一感染したとしても、初めての感染ではないため、大きな問題はないだろう というのが従来の認識でした。

妊娠中のサイトメガロウイルス感染について

妊娠中のCMV感染は、胎児に重大な影響を及ぼす可能性があり、初期、中期、後期それぞれで異なるリスクと影響が生じます。

妊娠初期のサイトメガロウイルス感染リスク

妊娠初期にサイトメガロウイルスに初感染する場合、胎児に与えるリスクが最も高いと言われています。妊娠初期は胎児の器官形成が進行する重要な期間であり、この時期にCMVが胎盤を通じて胎児に感染すると、重篤な先天性異常や流産のリスクが高まります。特に中枢神経系の発育に影響が出やすく、脳内石灰化など脳への影響、聴覚障害などの深刻な結果を招く可能性があります。このため、妊娠を計画している女性や妊娠初期の女性は、自身のCMV感染状態を把握するための検査を受けることが推奨されます。また、予防策として、特に小さな子供との接触には注意が必要です。

妊婦がサイトメガロウイルスに感染したからといって、必ず母子感染してしまうわけではありません。初感染で約40%、再感染ではもっと低いと言われています。

妊娠中期のサイトメガロウイルス感染リスク

妊娠中期にCMVに初感染した場合も、胎児への影響は不可避ですが、妊娠初期に比べると障害の発生頻度はやや低くなるとされています。しかし、依然として聴覚障害や視覚障害、発育遅滞などのリスクは存在します。

妊娠後期のサイトメガロウイルス感染リスク

妊娠後期にCMVに感染した場合、胎児への直接的な影響は初期や中期に比べてやや少ないと言われています。しかし、依然として先天性サイトメガロウイルス感染のリスクはあり、新生児の健康問題を引き起こす可能性があります。

サイトメガロウイルスに陽性反応が出た場合の対策

妊娠中にCMV陽性反応が出た場合、いくつかの対策を講じることが必要です。まず最初に、陽性反応が初感染か再感染かを確認するために、さらに詳細な検査を受けます。その上で、医師と相談しながら母体と胎児の健康を監視するための適切なフォローアップを計画します。一般的には定期的な超音波検査を行い、胎児の成長や発育状態をチェックします。場合によっては、抗ウイルス薬の投与や免疫グロブリンの使用が考慮されることもあります。最も重要なのは、医師との緊密な協力によって、適切なタイミングで必要な対応をとることです。

サイトメガロウイルス感染の症状と対処法

妊娠中におけるCMV感染の症状とその対処法について解説し、エコーでの検査方法や医師に相談する際のポイントも紹介します。

妊娠中のサイトメガロウイルス症状

妊娠中にCMVに感染した場合の症状は、通常非特異的で、一般的な風邪と似たような症状が現れることが多いです。具体的には、軽度の発熱、喉の痛み、倦怠感、筋肉痛などが挙げられます。しかし、これらの症状は他のウイルス感染や病気でもよく見られるものであるため、CMV特有の症状というわけではありません。
妊娠中は免疫力が低下しやすいため、普段以上に体調管理に気をつけることが求められます。自身の体に普段と違う変化があった場合は、早めに医療機関に相談することが重要です。

サイトメガロウイルス感染がエコーでわかるか

エコー検査は妊娠中の定期的な検診で行われる方法であり、胎児の成長や発育を確認することができます。CMV感染が疑われる場合、エコーでいくつかの特定の異常を検出することが可能です。具体的には、胎児の脳内石灰化、小頭症、肝脾腫、羊水過多、成長遅延などがエコーで確認できることがあります。ただし、エコー検査だけで確実にCMV感染を診断することは難しく、感染の有無を確認するためには追加の血液検査や羊水検査が必要になる場合があります。医師と連携しながら、エコーでの異常が見つかった場合は早急に追加検査を受け、適切な対応を取ることが重要です。

サイトメガロウイルス感染時の不安解消法

CMV感染が疑われる場合、妊婦やその家族に大きな不安が生じることは避けられません。このような不安に対処するためには、まず信頼できる医師と相談することが重要です。また、信頼できる情報源から適切な知識を得ることも有効です。インターネット上には多くの情報が溢れており、誤った情報に基づく過度な心配を避けるためにも、医療機関や専門家が推奨する情報を参照することが推奨されます。

サイトメガロウイルスの再感染・再活性化による胎児感染も、初感染と同程度の影響があるという報告がされるようになったのも最近のこと。
私も、最新の論文等信頼できる情報源から知識を得て、担当医に質問したいことをメモに書き出し、相談しました。

サイトメガロウイルス感染の検査と治療方法

CMV感染の検査と治療方法について詳しく解説し、妊婦健診での検査や治療法、胎児への影響を最小限に抑える方法まで紹介します。

妊婦健診でのサイトメガロウイルス検査

産院により、サイトメガロウイルス抗体スクリーニング検査の有無は分かれます。検査のある場合、初めに、妊娠初期の血液検査でCMV抗体の有無を確認します。この検査でIgM抗体が陽性の場合、最近の感染が確認されます。また、IgG抗体が陽性であれば過去に感染していることがわかります。さらに、胎児の状態を確認するためには超音波検査が行われ、発育の遅れや異常がないかをチェックします。また、羊水検査を行って胎児のCMV感染の有無を確認することもあります。定期的な妊婦健診でこれらの検査を受けることが、早期発見と適切な対応につながります。

私は、6年前IgG(+)IgM(−)、2年前IgG(+)IgM(−)、今回IgG(+)IgM(+)。少なくとも6年前から抗体は持っていましたので、今回は妊娠初期での再感染疑いです….。
偽陽性ということもあるようですが、基準値は0.85未満のところ、IgM抗体1.96

検査の実施場所と方法

CMV感染の検査は、主に大規模な病院や専門の産婦人科医院で実施されます。最初に行う抗体検査は、通常の血液検査と同様に、医療機関で採血を行って検査結果を待ちます。IgM抗体が陽性の場合は、最近の感染の可能性が高いとされ、さらなる検査が必要です。胎児感染の疑いがある場合には、羊水検査や臍帯血検査などが行われる場合もあります。これらの検査は高い精度を持ちますが、 リスクやコストがかかるため、医師との相談が欠かせません。エコー検査も必要に応じて行い、胎児の成長や発育状態をチェックします。妊娠中の女性は、検査場所や方法について医師としっかりコミュニケーションをとり、最適な検査方法を選択することが大切です。

陽性反応が出た場合の治療法

妊娠中にCMV陽性反応が出た場合の治療法は、感染の時期や母体および胎児の状態によって異なります。まず初めに行うべきは、医師との詳細な相談です。一般的な治療法としては、抗ウイルス薬(例:ガンシクロビル、バルガンシクロビル)や免疫グロブリン製剤の投与が挙げられます。これらの薬剤は、ウイルスの増殖を抑える効果がありますが、副作用にも注意が必要です。胎児の感染が疑われる場合は、定期的な超音波検査を行い、胎児の発育状態や異常を監視します。場合によっては、羊水検査でより詳細な診断が必要になることもあります。治療の重要なポイントは、母体と胎児の健康を最優先に考え、継続的なフォローアップを怠らないことです。

私の場合は、IgG抗体221、IgM抗体1.96 。偽陽性ではないかなぁ、と担当医に言われました。検査結果を聞いたのは、採血の1ヶ月後であった為、もう一度検査をし直したところで、最近の感染があったことが分かるIgM抗体の数値は下がってきてしまっているだろうし、もし再感染であったとしても今すぐできることはない、ということで。

毎回の健診でのエコーで異常がないか注意して診てもらいながら、出産後の新生児尿検査を待っている状況です。

胎児感染の可能性がある場合、産後3週以内に、新生児の尿検査をすることで先天性サイトメガロウイルス感染症の診断をすることができます。(生後3週間を過ぎてしまうと、出生前の感染なのか出生後の感染なのかわからなくなってしまう為。)

サイトメガロウイルス感染予防のための注意点

妊娠中にCMV感染を予防するためには、日常生活での予防方法や家族内での感染予防策を理解し、特別な注意点を押さえておくことが大切です。

日常生活での予防方法

CMV感染を予防するためには、日常生活でいくつかの基本的な注意点を守ることが重要です。

サイトメガロウイルス感染予防策

・手洗いの徹底

・体液の付着したものへの接触を避ける(ヨダレや鼻水、おむつ)

・食べ物、飲み物の共有をしない

・十分な休息とバランスの取れた食事

まず、手洗いを徹底することが最も効果的な予防策となります。特に、小さな子供と接触する際や、食事の前後、トイレの後には、しっかりと手を洗い、ウイルスの体内侵入を防ぎます。次に、体液を通じて感染するため、唾液や尿などが付着した物への接触を避けることが大切です。また、食べ物や飲み物を共有しないようにすることも、予防の一環です。加えて、体調を崩さないように十分な休息を取ることや、栄養バランスの取れた食事を心がけることも免疫力を高めるために有効です。これらの日常的な措置を講じることで、CMV感染のリスクを大幅に低減させることができます。

家族内での感染予防策

家族内でのCMV感染予防策として、まずは全員で感染予防の重要性を理解し、共通のルールを守ることが大切です。特に、子供がいる家庭では、手洗いと消毒の習慣を徹底することが必要です。子供の尿や唾液、鼻水などが表面に付着しやすい玩具や食器は、定期的に消毒することを心がけましょう。また、家族全員が手洗いの適切な方法を学び、実践することが重要です。料理や食事の際には、食べ物や飲み物の共有を避けます。これらの対策を全員で意識し取り組むことで、家族内での感染リスクを大幅に減少させることが可能です。

妊娠中の特別な注意点

妊娠中は免疫力が低下しがちであり、特にCMV感染に対する注意が求められます。まず、妊娠中の女性は小さな子供と頻繁に接触する場合、特に感染リスクが高いため、予防策を徹底することが重要です。手洗いや消毒を怠らないようにし、特にトイレや食事の前後には必ず手を洗う習慣をつけます。また、妊婦健診でCMV抗体検査を受け、自身の感染状況を把握することが大切です。これにより、早期発見と適切な対策を講じることが可能になります。さらに、ストレスを溜めないよう、リラックスできる時間を持つことや、バランスの取れた食事を心がけることも有効です。妊娠中の健康管理は、自分だけでなく胎児の健康を守るために重要です。

まとめ

サイトメガロウイルスは、初めての感染・再感染に関わらず、妊娠中気をつけなければならないウイルスです。

ありふれたウイルスですが、妊婦が感染し母子感染すると、胎児に大きな影響を与える可能性もあります。

正しい知識を持ち、感染予防を徹底していきましょう。

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